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Ene-1 GP SUZUKA KV-Bike 2016への出場の軌跡
チーム情報 †
メンバー †
- モーター・雑用担当
- メカニック兼電源担当
- ライダー兼コントローラー担当
- パワードライバー担当
- チーム写真
大鳥 浩史(左側)
今村 謙之(中央)
山内 直(右側)
新里 祐教(自転車に乗っている)
チーム名 †
- o孕o=3レーシング(オヨサンレーシング)
- "o孕o=3"が自転車に乗って爽快に走行しているように見える文字であるところからチーム名としました。
車両名 †
- ( ゚Д゚)⊃旦<Diet油飲めや号(ダイエットオイルノメヤゴウ)
- ライダー体重制限が55kgであったため、ライダー氏が無謀なダイエットに挑戦し、その象徴的な出来事を車両名としました。
結成時期 †
結成理由 †
- ものづくり展示会である"Maker Faire"に世界中で数年出し続けて、ただ展示するだけに飽きたから。(本大会と同一日程で東京でMaker Faireが開催されています!)
車両製作・改良にあたってのユニークな試みや力を入れた点、車両特徴などPR †
- 電気系を全て自作した。軽量化と走行時のふらつきを軽減するためにフロントハブモータを使用した。また、空気抵抗軽減のためにスキーの滑走時のような姿勢を低く出来るようなパーツを車体に装備した。
チームの特徴や活動で感動したことや悔しかったことなどのエピソード †
- メタボのおっさんチームのためライダーの体重(70kg)が問題となった。そして、これを規定ぎりぎりの55kgに落とすためにライダー氏の挑戦は始まった。まず、低糖質ダイエットを開始し毎食をキムチと豆腐のみで済ます日々が続き、効果がなくなってきたらココナッツオイルを飲むだけという無糖質ダイエットに挑み、ついには断食へと至った。このとき、ライダー氏が魂の叫びをチームチャットに投稿ため、ライダー氏を励ますため、リーダーやメカニックも同様のダイエットを始め、各人の阿鼻叫喚がチームチャットにあふれる様は、まさにチーム一丸というべきものであり、感動を禁じ得ないものであった。。。そして、ついに全員が10~20kgの減量に成功し、目標体重を達成したのであった。
制作記 †
写真
試作機 †
製作コンセプト:気になる点の検証と全体として動作検証に重点を置いて、製作しやすさを優先させた。そのため、ウェザープルーフや安全性は考慮されていない。
車体 †
担当:大鳥 浩史
- 基本コンセプト
ライダーが「1時間乗り続けて無理がないか?」の検証
- ステップ
レギュレーションにより、車軸より下に設置しなければならないため、そのためのアルミ部品を製作。
- 胸当て
1時間、滑空ポーズを取り続けるのは大変のため、設置。
滑空ポーズ
CNCで製作
- スポーク
モータサイズに合わせて、スポークを加工。
コントローラー †
担当:新里 祐教
- 基本コンセプト
mbedだけで「10kHz駆動」が実現可能か?の検証
- 実際に10kHzで駆動させて、波形を取ったところ
LPC1768(96MHz動作)では少々苦しい感じ。チューニングまたはもっとクロックの高いチップが必要と判断された。
- 小型モータでの駆動風景
- 実際のモータでの駆動
ホールセンサーのBit変化がテスト用の小型モータと違ったため、変更を余儀なくされた。
パワードライバー担当 †
担当:山内 直
- 基本コンセプト
48V5A、10kHz駆動にどのくらいの放熱器が必要になるか?の検証
- 基本設計
コントローラへの接続部と1相分の抜き出し。
- 無負荷試験
- 完成品
かなりの発熱が確認された。放熱器のサイズ、設置方法を検討しなければならない。
電圧切り替え機 †
担当:大鳥 浩史
- 基本コンセプト
ブレーカー動作の検証。とくに、ブレーカー作動後の復帰の検証
- 試作機壱號
12Vまで使えるようにしていたが、複雑怪奇になった&Eneloopでモータを駆動させると50%近い電圧降下が観察されたため12Vは使わないとなったのでボツに。
- 試作機弐號
- コントローラー用電流計
基本的にブレーカーの動作指示は、コントローラーから行うように変更。
モーター †
担当:今村 謙之
- 基本コンセプト
市販のフロントハブギヤードモータのコイルを巻き替える場合の注意点の洗い出し
- 形式
- フロントハブギヤードモータ
- ブラシレス三相モータ
- ギヤ比
- モーターの選定
三相ブラシレスモーターはパワーエレクトロニクスにおいて要の部品である。そのため、本来であれば、一からハウジングや磁石、コイルなどを製作していくのがベストである。しかし、予算的にそこまでは無理であったため、今回は市販されているモーターを改造する方針とする。
次に、モーターの取り付け方式を選定する。大きく下のようになる。
形式 | 利点 | 欠点 |
ペダルの代わりにギヤに取り付ける形式 | 形状が自由、ギヤ比が自由 | 機構が複雑 |
ホイールの中に入れるハブ形式 | 軽量、重心を前方にできる | 選択肢が少ない |
市販モーターで変更できる特性はコイルの巻き数と線径しかない。そのため、ギヤ取り付け方式のギヤ比を自由に変更できる利点は魅力である。しかし、多段ギヤやチェーン、レギュレーション的に必須となっている可動部へのカバーなどを装備すると軽いフレームの車体でなければ、重量が既定の15kgを超える恐れがあり、軽い車体を選択すると車体の購入費が上がってしまう。さらに、空気抵抗を極力減らすためにライダーは滑空ポーズの予定であり、このとき、重心が前方に来るため、前輪駆動のほうが安定すると判断した。
そこで、今回はハブ形式の一種である「フロントギヤードハブモーター」を採用することにした。
- 基本設計
試作などで何個か購入したかったので安い中国製のハブモーターに目を付けたが、モーターの特性が公開されているものがほとんど存在しない。そのため、本来であれば、実質的に変更できるパラメータであるコイルの巻き数と線径を変えつつ、回転数や力率、トルクを測定してベストの巻き数と線径を模索するべきである。しかし、コイルの巻き数や線径を変えたモーターを複数用意し、測定器を用意して、計測することは現実的ではない。
そのため、何個かの電動自転車用モータの特性を調べたところ、240Wクラスでは「2000~2300RPM」の回転数の時に一番電力効率がよくなるものが多いようである。そこで、今回購入した市販モータもこの特性に近いであろうと想定し、計算を行ってみた。
計算法は、実際に稼働させてみた時速から、回転数を割り出すというものである。
測定したところ「26インチタイヤで、時速24km」となった。すなわち、26インチは一回転で2.1mであるため、時速24km=分速400m/2.1m=190.5RPMとなり、ギヤ比が4.3なので819.1RPMである。
これは、電力効率がよい回転数の1/3くらいでありとても効率がよいとは言えなそうである。そこで、今回は、電源の構成上240W(48V/5A, 24V/10A, 12V/20Aのどれかの電源構成となる)上限となるため「出力(W)=2πxトルク(Nm)x回転数(RPM)/60」より、「回転数を落とす」≒「トルクを上げる」で再設計しできる限り、理想の回転数へと近づける方針とした。
そして、線径であるが「分解」の写真にあるようにすでにぎっしりと巻かれていた。このままではトルクを上げるために巻き数を増やすことが出来ない。そこで、このモーターが360Wモーターであるため、240Wの電力定格ぎりぎりの線径に軽減して巻き数を確保する設計とした。
具体的には、
- 線径を0.6mm x 5本->0.65mm x 3本にする
- コイルの巻き数を倍(元が13巻き)にする
- コイルの接続方式を相並列式Y結線->一般的な単一相式Y結線にする
という改造をすることにより、トルクアップを図る。
市販モーターでは一般的な相並列式Y結線
- 分解
- コイルの巻き直し
0.65mm x 3本(定格電流5A)を、各コイル20回巻き(18巻き、25巻きなどを試した結果)。
- 結線
パワー型の1並列6直列で結線。
- 完成
2コイル分が死亡していたため、18->16コイルで動作させたところ、思うように稼働せず。
本番機 †
車体 †
担当:大鳥 浩史
コントローラー †
担当:新里 祐教
パワードライバー担当 †
担当:山内 直
電圧切り替え機 †
担当:大鳥 浩史
モーター †
担当:今村 謙之
- 形式
- フロントハブギヤードモータ
- ブラシレス三相モータ
- ギヤ比
サイクルコンピューター †
担当:今村 謙之
スポンサー †
グロースエクスパートナーズ株式会社
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